【2022年】渓流エサ釣り入門 梅雨~9月の特徴と釣り方を解説

【2022年】渓流エサ釣り入門 梅雨~9月の特徴と釣り方を解説

待ちに待った渓流解禁。今回は渓流釣りシーズンの後半にあたる、梅雨から9月までの季節別攻略法をお伝えしよう。

(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース西部版APC・津曲隼丞)

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淡水の釣り 渓流釣り

梅雨

梅雨に入ると川も増水して、多くのエサが流下してくる。それまで散々叩かれて学習した狡猾なスレヤマメも横断無尽に行動し積極的に口を使う。

降雨による濁りは、約50cm先まで見えるやや濁りの入った”ささ濁り”が良い。ただし、平水と比べて50cm以上も増水しては危険で釣りにならない。突然の雨による水位の上がる鉄砲水もあるので、源流域の入渓を一時見合わせしたり、常に避難できる個所を想定したリスクアセスメントを念頭に釣りをしていきたい。やはり、安全が前提での釣りになる。

【2022年】渓流エサ釣り入門 梅雨~9月の特徴と釣り方を解説美しい渓魚をゲット(提供:週刊つりニュース西部版APC・津曲隼丞)

また、水はけの良い川とそうでない川がある。地図をみて、源頭から釣る流域の等高線が狭い地域は雨量も集中するため、なかなか水も引かないケースが多い。一方で、等高線の緩い地域は、雨量が分散するために水はけも良く、降雨の翌日でも釣りになる場合もある。地図は国土地理院2万5000分の1、雨量は国土交通省の「川の防災情報」というサイトで、釣行するエリアの天気や雨量そして水位までチェックできるので参考にしてほしい。

エサは匂いの強いキジを中心にブドウ虫。できれば野生のドバミミズが匂いや体をくねらせる動きもアピールできて一番よい。ハリは8~9号の大バリを使う。濁りや増水中は釣りづらいが、基本秒速30cmの底波に定位している。増水中は流心よりも岸辺近くのタルミが適正流速であったりするので試してほしい。

ダム湖や本流で育ったサクラマス化した尺物が、増水を利用して遡上してくる時期にあたるので、大物狙いは積極的に行動したい。堰堤、滝、大淵など、遡上を阻害する障害物がある場所が狙いめ。

梅雨明け~8月

梅雨明け直後の増水の引き際は、尺上ヤマメが狙いめだろう。あらゆる釣法でも、増水した水量も相まって、釣りこぼしのポイントが点在している。

水位も減り、水温20度近くになると、昼間はさすがにアタリも遠のく。特に九州の夏は酷暑であり釣る目安となる20度を超えてしまう。また、クモの巣が仕掛けに絡みつき、ヤマメ1里1尾といわれるぐらいに釣りづらくなる。

さらには、スズメバチが活発に飛び回るので、黒系のウエアは避けて、もしもに備えて毒吸引器のポイズンリムーバーを携帯したい。もしも遭遇した場合は、姿勢を低く取り、後ろに下がった場合がよい。決して手をあおったり急激な行動は控えたい。

【2022年】渓流エサ釣り入門 梅雨~9月の特徴と釣り方を解説沢登りスタイルで爽快に釣り上がる(提供:週刊つりニュース西部版APC・津曲隼丞)

釣る場合は、水温の低い雨後や朝夕に限定されてくる。少しでも溶存酸素の高い瀬や落ち込み周辺・堰堤下・湧水エリア・発電所の放水口を重点的に狙うと丸々に太った個体に出会える。流域は水温の低めの一般渓流~源流域。エサは渇水期だとブドウ虫、雨後の濁りにはミミズを使う。

夏季の午後からは雷を伴うにわか雨によく遭遇する。雷はカーボンザオを通して感電するので非常に危険。雷が鳴れば速やかに納竿してほしい。特に簡単に脱渓しづらい源流域は鉄砲水にも注意してほしい。注意点が多くなってしまったが、この時期は中流域で真っ黄色な活性のあるアユ釣りを楽しんでもいいかもしれない。

9月

九州の9月は酷暑続きで8月同様の釣り方になるが、中旬をすぎると秋雨前線の影響で、曇りや雨の日が出て、幾分暑さが和らぐ。特に渓流域の朝晩は冷え込み、秋の釣りにシフトしていく。産卵前で、卵を抱える個体も増えてくる。

魚体は赤く婚姻色が出たり、黒くサビが入ったりと釣り終盤であることを知らせてくれる。ヤマメは晩秋の産卵を控えて、荒食いを始め、上流へ遡上を繰り返す。さらに、本流から枝分かれた名もない枝沢にもヤマメが遡上するのでサオを出しておきたい。

【2022年】渓流エサ釣り入門 梅雨~9月の特徴と釣り方を解説シーズン大詰めの季節(提供:週刊つりニュース西部版APC・津曲隼丞)

下旬になると、瀬尻や淵のカケアガリなどやや流れの緩いエリアに定位しているケースがある。通常よりも、やや重めのオモリで、ドラグドリフトを掛けながらエサ先行で流すと効果的。エサは、ミミズやブドウ虫、そしてイクラが産卵期に重なり食いも立つようだ。

10月からは、全面禁漁となるので注意。

<週刊つりニュース西部版APC・津曲隼丞/TSURINEWS編>

この記事は『週刊つりニュース西部版』2022年4月1日号に掲載された記事を再編集したものになります。